舞姫

詞/曲 翔平

  きちんと決めた晴れ姿 まるで吉原の花魁と
  褒め称えられ向かうのは きっと似たようなものでしょう
  覚悟を決めたあの日より 慣れた故郷と父母と
  袂を分かち選びしは 棘の道よりも痛かろう

  薄仄暗く澱んだ空は この先を暗示しているのかな
  道端の地蔵 手向けた花を どうか見捨てずにいておくれ

  華よ舞えよ 咲き誇れ今 けして振り返ることはせず
  操固く護りしこの身 誰も奪いなどさせるものか


  いちにのさんでおもむろに 開く扇には桜色
  叶えたくとも敵わない 夢と成り果てる末路かな 

  見世物小屋で喝采を浴び 華やかな街の波に揉まれ
  無垢なる心忘れてもなお 目指す頂は遥か遠く

  華よ舞えよ 咲き乱れ今 何も恐れなどしないとも
  誓い立てしあの日からもう いくつもの傷を負ったけれど
  たとえこれが刹那の余興 浮世のお慰めだとしても
  それが人を笑わすならば せいぜい気休めになるんだよ


  華よ舞えよ 咲き誇れ今 けして振り返ることはせず
  操固く護りしこの身 誰も奪いなどさせるものか

  華よ舞えよ 咲き乱れ今 何も恐れなどしないとも
  誓い立てしあの日からもう いくつもの傷を負ったけれど

  夢よ人よ 浮世の闇よ 必ず頂に登るまで
  果てはしない たとえこの身が 萎れて朽ち果ててしまっても

  咲き誇れ 咲き乱れ 舞姫よ