雪に舞う花

詞/曲 翔平




※「舞姫物語」第3弾。病に侵され死期が近いことを悟った踊り子の娘は、舞い降りては消えていく雪の儚さに自らの姿を重ねます。せめて愛しき殿方との幸せな時を刻み付けようと、渾身の舞を舞うのでした。

舞い降りる雪の花びら 肩にジワリ 滲んで消える
私の身もすでに病に 蝕まれ 消える間際でしょう
  
舞に生きた道の中 貴殿に出会い恋した
その証求めても虚しく せめて思い出となれば  

雪に舞う花のように 儚くも美しく 消えてゆく その中で何を残せるのでしょう
雪の降るこの道を 貴殿と二人歩いた 忘れなどさせぬように 
強く焼き付けましょう 私のこの舞で

変わらない並木の道で 涙ホロリ 零れて消える
契の日もすでに彼方に 過ぎ去り 褪せる定命でしょう

見下ろした道の端に ポツリ佇む地蔵
手向けた花をお忘れでしょうか 今一度の幸を

ひとつだけ 願い事 叶うとするのならば 貴殿にもう一度だけ
その温もりに触れたい
許されぬ恋の路 貴殿は雲の上から 時折ここを見下ろし 思い出してくれますか
私のこの舞を

雪に舞う花のように 儚くも美しく 消えてゆく その中で何を残せるのでしょう 
雪の降るこの道を 貴殿と二人歩いた 忘れなどしないように
強く焼き付けましょう 深く刻み付けましょう 私のこの舞に